情緒を感じさせる奥深い日本語の世界。
厳しい寒さの中にも美しさを見出す冬の言葉たち。
<冬の美しい日本語5選>
荒磯波(あらいそなみ)
荒磯に打ち寄せる波。「荒磯」とは、岩石が多く、荒波が打ち寄せる海岸のことをいいます。波の荒々しく激しい勢いが感じられる言葉です。
寒卵(かんたまご)
冬の季語。鶏が寒中に生んだ卵のことです。他の時期よりも栄養価が高く、長く保存がききます。寒中とは、小寒から大寒までの期間です。
氷の楔(こおりのくさび)
水が厚く凍りついている様子。楔を打ち込んで固く閉じ合わさったように見立てた表現です。楔は物体を割ったり、固着させるためのものです。
氷橋(こおりばし)
川や湖などの水面に厚く氷が張り、まるで氷の橋ができたように、その上を歩いて渡れることをいいます。「氷の橋」とも呼ばれます。
冬籠(ふゆごもり)
冬の季語。冬の寒い間に活動をやめて、家の中などにこもってしまうことです。動物などが巣や土の中でこもることもいいます。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『日本美人の七十二候』 山下景子 (著) PHP研究所
『精選版 日本国語大辞典』 小学館