明るく華やかな雰囲気のチューリップ。
不幸な時代から大切に守られた。
<チューリップについて>
富山県は、チューリップの栽培量が日本一。
チューリップを富山県に広めたのは、水野豊造(みずのぶんぞう)です。
身体が弱く、満足に畑仕事ができない代わりに、他に収入になるものを育てられないかと考えていたところ、種苗会社のカタログの中から、チューリップが目に留まりました。
球根を入手し、咲かせた美しいチューリップは1本50銭で売れました。
当時の労働者の給料が一日10銭から20銭くらい。
とても高値で売れたことが分かります。
球根は独占せず、近隣農家に球根を分配し、アメリカへ輸出するまでになりました。
しかし、戦争で貿易は中止、外国名のついた花を作るのは非国民だとされた時代に、球根を絶やさないように、ひそかに育て続けていました。
戦後は栽培をすぐに復活させ、輸出も再開しました。
今では富山県の重要産業の一つです。
モットーは「チューリップは魂でつくるもの」、「機関車」とあだ名されるほど、チューリップに情熱を注いだ人生でした。
<チューリップの基本情報>
別名 | ウッコンソウ(鬱金草) |
学名 | Tulipa |
英名 | Tulip |
分類 | ユリ科チューリップ属 |
開花時期 | 3月~4月 |
花言葉 | 赤:「愛の告白」 ピンク:「愛の芽生え」 黄:「実らぬ恋」 |
参考文献:
『日本園芸界のパイオニアたち』 椎野 昌宏 (著) 淡交社
『歴史街道 2017年8月号』