四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
夏の暑さが山を越え、夏の終わりが見え始めてくる8月。
<夏の美しい日本語5選について>
草いきれ(くさいきれ)
夏に草の茂みから発生するむっとする熱気。「いきれ」とは、熱気でむっとするという意味がある動詞の「いきれる」の名詞形です。人の熱気は「人いきれ」です。
遠花火(とおはなび)
遠花火とは、遠く離れたところから眺める花火のことです。人々の喧騒の中で迫力を楽しむ間近の花火に対し、静かに小さく見る花火も風情があり、余韻が残ります。
炎暑(えんしょ)
炎暑とは、真夏の焼けつくような暑さのことです。炎という字からいかにも大変な暑さを想像させます。最も厳しい暑さを表し、現代の夏にこそ、ぴったりくる言葉です。
夏雲(なつぐも)
夏空に現れる雲をいいます。「かうん」とも読みます。代表的な夏雲である入道雲は積乱雲とも呼ばれ、急速に発達し、雷雨や竜巻などを引き起こすこともあります。
夕立(ゆうだち)
午後に急に雲が湧き、激しく降る大粒の雨。気象学的に「にわか雨」「通り雨」といいます。夏の高気圧が熱い空気を送り込むことで、雨雲が発達します。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『覚えておきたい 美しい大和言葉』 日本の言葉研究所 (著) 大和書房
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『天気の名前 ビジュアル気象歳時記』 森田 正光 (監修) 世界文化社
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『ブリタニカ国際大百科事典』
『大辞泉』 小学館