四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
じとじとする梅雨も情緒豊かにする言葉たち。
青梅雨(あおつゆ)
新緑に降り注ぐ梅雨。夏の季語です。ウメの実が青色から黄色に熟す頃に雨が降り続きます。梅雨の前にたっぷり太陽の光を浴びた木々が長雨で潤いを得ます。
糸雨(しう)
しとしと糸のように細い雨。「いとあめ」とも読みます。激しい大雨のことは、銀色の竹になぞらえて「銀竹(ぎんちく)」という言葉があります。
梅の雨(うめのあめ)
梅雨のこと。梅雨の語源はウメの実の熟する頃に降る雨だとされます。梅雨の雨はうっとうしさがあっても、黄色に色づいた実にかかる雨は情緒的です。
栗花落(ついり)
梅雨入りのこと。クリの花が落ちる時期が梅雨入りが重なるため、この字があてられています。「栗の花霖雨」という言葉もあります。「霖雨」は長雨のことです。
五月雨(さみだれ)
旧暦5月頃の長雨。今の梅雨のことをいいます。「五月雨」の「さ」は、「皐月」「早苗」などの「さ」と同じで、田の神のこと、あるいは神に捧げる稲を指すとされます。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『日本美人の七十二候』 山下景子 (著) PHP研究所
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『マイペディア』 平凡社