四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
じとじとする梅雨も情緒豊かにする言葉たち。
<夏の美しい日本語5選について>
五月晴れ(さつきばれ)
本来は梅雨どきの晴れ間をいう夏の季語です。旧暦5月(新暦の6月)が梅雨の時期にあたります。一般的に5月の爽やかな晴天をいうことが多いようです。
紫陽花(あじさい)
「紫陽花」の字は、源順(みなもとのしたごう)が、白楽天の詩に出てくる「紫陽花」を誤って紹介したことによります。当時の中国に紫陽花はなかったそうです。
雨籠り(あまごもり)
雨は天の意思と考えられていた古代、雨の日はこもっていなければなりませんでした。同じような意味で「雨障(あまつつみ)」という言葉もあります。
天水(あまみず)
天からの神聖な水。つまり、雨水のことですす。「てんすい」とも読みます。雨は天からの恵みとし、軒先で桶にためたり、水をせきとめて稲を大切に育てたりました。
梅雨晴(つゆばれ)
梅雨明けに晴れ渡った空。または、梅雨の合間の晴天をいいます。長雨の季節でも、雲の合間から太陽が顔をのぞかせ、抜けるような青空が広がることもあります。
参考文献:
『天気の名前 ビジュアル気象歳時記』 森田 正光 (監修) 世界文化社
『覚えておきたい 美しい大和言葉』 日本の言葉研究所 (著) 大和書房
『日本美人の七十二候』 山下景子 (著) PHP研究所
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館