四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
日本人にとってサクラは格別な思いを寄せる春の花。
<春の美しい日本語5選>
花衣(はなごろも)
古くは桜襲の衣をさしました。歳時記では、お花見に着る晴れ着をいいます。サクラの花びらが衣服にかかり、衣を飾るように見えることという説もあります。
花便り(はなだより)
花の咲く様子を知らせる便り。特にサクラの花をさします。「花信(かしん)」「花音(かいん)」という言葉もあります。「信」も「音」も便りを表します。
花冷え(はなびえ)
サクラの咲く頃に、急に寒くなること。また、その寒さをいいます。サクラの季節は気候が不安定になりやすく、急な寒さに見舞われることも珍しくありません。
桜若葉(さくらわかば)
花が散った後に若葉だけになった桜のこと。歳時記では夏の季語になっています。サクラを通して移りゆく季節が感じられる言葉です。
葉桜(はざくら)
花が散り、葉だけが残ったサクラのことをいいます。花と葉が同時期に出てくるサクラもありますが、ソメイヨシノは花が終わった後に葉が出ます。
参考文献:
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『大辞泉』 小学館