四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
情景が目に浮かぶような春の言葉たち。
<春の美しい日本語5選について>
草萌(くさもえ)
春になって草の芽が一斉に出始めること。また、その草の芽そのものを指します。冬枯れの大地から草が目覚めたように萌え出す様子は、春の訪れを感じさせます。
春めく(はるめく)
春らしくなること。また、春らしくうきうきすることをいいます。春の季語です。「めく」は、~の状態になる、~らしく見えるという意味です。
麗らか(うららか)
春に晴れて、柔らかくのどかな状態を表す大和言葉です。春の穏やかな天候だけでなく、声や心の様子を表現する場合にも使われます。「うらら」も同じ意味です。
水温む(みずぬるむ)
冬の間に氷のように冷たかった池や川の水が、春になって寒さがゆるみ、温かくなることです。春の到来を、水に触れた指先の感覚からも感じられる言葉です。
山笑う(やまわらう)
春の山の花が咲き、草木が一斉に芽吹き、明るさを表す大和言葉です。春の季語としてよく取り上げられます。山の生き生きとした雰囲気を「笑う」と表現しています
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『覚えておきたい 美しい大和言葉』 日本の言葉研究所 (著) 大和書房
『大辞泉』 小学館