四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
梅雨が本格的に始まる前にも、雨が降りやすい気候に。
<春の美しい日本語5選について>
春時雨(はるしぐれ)
春のにわか雨のことをいう春の季語です。「春驟雨(はるしゅうう)」ともいいます。「時雨」とは、ぱらぱらと通り雨のように降る雨のことです。
卯の花腐し(うのはなくたし)
卯の花の咲いている頃に降り続く長雨。卯の花とは、ウツギの花のことをいいます。旧暦の4月の異称が卯月であるように、この季節を代表する花です。
青雨(せいう)
青葉に降りかかる雨で、「翠雨(すいう)」「緑雨(りょくう)」「青葉雨(あおばあめ)」と呼ぶこともあります。または、新緑の頃に降る雨をいいます。
走り梅雨(はしりづゆ)
梅雨に先立って降る雨。「迎え梅雨」という言葉もあります。「走り」とは、ものごとの先駆けを意味します。5月下旬頃から雨が多くなり、本格的な梅雨を迎えます。
青時雨(あおしぐれ)
青葉の木立から落ちる水滴を、時雨に見立てた夏の季語です。濃霧の後や雨上がりなどに、青々とした葉に水滴が光輝くように滴る光景が浮かぶようです。
参考文献:
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『大辞泉』 小学館