四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
咲き誇る花々が目に浮かぶような春の言葉たち。
<春の美しい日本語5選>
杏花雨(きょうかう)
清明の日(新暦の4月5日頃)頃に降る雨。「杏花」はアンズの花のことです。サクラの花だけでなく、アンズの花もこの頃に咲きます。花もサクラに似ています。
繚乱(りょうらん)
入り乱れること。特に花などが咲き乱れる様子をいいます。「繚」はまつわる、からめるなどの意味があります。花が次々に咲き出す春に用いられることが多い言葉です。
花筏(はないかだ)
川や池の水面に散った花びらが連なって流れる様子を筏に見立た春の季語です。サクラの花の期間が短いですが、散る時の美しさまで楽しむことができます。
藤波(ふじなみ)
春の季語。フジの花房のこと、または、フジの花が風で揺れ動くことをいいます。垂れ下がるフジの花房がゆらりと波のように風になびく姿は、美しく風流です。
爛漫(らんまん)
花が咲き乱れている様子で、春にぴったりの言葉です。または、光り輝く様子をいいます。「爛」は焼けただれることや輝くことを、「漫」は広がることを表します。
参考文献:
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『大辞泉』 小学館