四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
情景が目に浮かぶような春の言葉たち。
< 春の美しい日本語5選について>
梢の春(こずえのはる)
梢に花が咲き、春めく頃。「梢」とは木の幹や枝先のことです。四季の中で最も華やぐ季節で、枝先に花が開くと、春の訪れを実感することができます。
二十日草(はつかぐさ)
ボタン(牡丹)の別名です。白居易は、ボタンが咲いて花が散るまでの20日間、長安の人々は憑かれたかのようになったと詩に残しました。
花楓(はなかえで)
カエデの花のこと。春に小さな赤い花を咲かせます。花の後は翼果(よくか)と呼ばれる、プロペラのような形状の実をつけ、風にのせて種を遠くに飛ばします。
花霞(はながすみ)
満開のサクラの花が遠目には一面に霞がかかっているように淡く見えること。霞は空気中の水滴で景色が霞んで見える自然現象です。朝方に多く見られます。
花盛り(はなざかり)
花が咲き揃っていることや、その季節をいう春の季語です。主にサクラを指します。冬に蓄えていた活力を一斉に溢れさせる生命力を感じさせます。
参考文献:
『日本美人の七十二候』 山下景子 (著) PHP研究所
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『大辞泉』 小学館