四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
冬から春へ移り変わる頃に使われる、どこか切なさのある言葉。
<春の美しい日本語5選について>
余寒(よかん)
寒(かん)が明けた立春後も残る寒さ。寒とは、1月21日頃の大寒から立春前日までの間をいいます。この時期に出すあいさつ状は余寒見舞いです。
忘れ雪(わすれゆき)
冬の終わりから春にかけて降る雪です。気象用語では、最後に降る雪を「終雪(しゅうせつ)」といいます。寒さに凍えてきた冬との別れを感じさせる言葉です。
凍返る(いてかえる)
冬が終わり暖かくなりかけた頃、急に寒さが戻って地面が再び凍りつく様子をいう春の季語です。春になって暖かさを感じた後に寒さがぶり返すことはよくあります。
名残の雪(なごりのゆき)
春が来ても降る雪、または残っている雪を指す大和言葉です。「名残雪(なごりゆき)」とも。「名残」は、ある事柄が過ぎた後も、気配や影響が残ることを意味します。
雪の果て(ゆきのはて)
春になり暖かくなってきた頃に、降り納めのように降る雪のことをいいます。同じような意味の言葉に、「雪の別れ」「名残の雪」「忘れ雪」などがあります。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『大辞泉』 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館