多い山、多いトンネル。多い問題を超えてきた新幹線。
1964年に開業したときの0系に始まり、現在まで進化を繰り返してきた。
<新幹線について>
新幹線の車両は1964年(昭和39年)に開業してから、現在にいたるまで、さまざまな車両が登場しました。
初代の新幹線車両は0系です。
現在の新幹線の形状からすると、先頭の丸みが特徴的です。
東海道新幹線の開業当時は世界一の高速で、最高時速が210kmでした。
新幹線は時代と共に進化し、特に先頭車両の形状が変化していきました。
最近の車両の先端はアヒルのくちばしのよう形になっています。
以前の丸い流線形の先頭車両は、トンネルの出口でドーンという爆発音が出ることが問題でした。
この爆発音は「トンネルドン」と呼ばれているトンネル微気圧波です。
その原因はトンネル内の空気が車両の前で圧縮されるためです。
そこで700系でデザインされたのはエアロストリームと呼ばれるアヒルのくちばし型です。
空気の流れを上部と左右の3方向に逃がすことで、騒音問題を解決しました。
N700系では、エアロ・ダブルウィングを採用し、さらにトンネル微気圧波を軽減させました。
先頭部分が700系より1.5m長く、鳥が翼を広げたように見える形状です。
参考文献:
『図解 身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』 左巻 健男 (著) 明日香出版社
『身のまわりのすごい技術大百科』 涌井 貞美 (著), 涌井 良幸 (著) KADOKAWA