昔は日本人にあまり興味を持たれなかったバラ。
日本でバラが注目されるようになったのは明治以降。
<バラ(薔薇)について>
バラに関する、日本最古の文献は721年頃に成立した『常陸風土記』です。
平安時代の『枕草子』や『源氏物語』にも記述が見られます。
江戸時代は園芸が大流行し、様々な植物が栽培、改良されました。
日本初の植物図鑑である『本草図譜』にはバラが紹介されています。
しかし、この時代のバラへの関心は高いものではなく、品種改良は行われませんでした。
その理由としては、トゲのある植物は仏前に供えなかった風習や、観賞用というより薬用植物としてとらえられていたことなどが推測されます。
日本でバラが注目されるようになったのは、明治維新で海外との交易が自由になり、欧米文化が流入するようになってからです。
それに伴い、ヨーロッパで育成されたバラが入ってきました。
外国居留地などから広まり、バラへの憧れが高まりました。
明治時代の初期にバラの番付やアメリカの専門書も出版され、やがて東京近郊に温室が登場し、切り花用のバラ栽培が始まりました。
次にバラのブームが起きたのは、昭和の大戦後です。
吉田茂、鳩山一郎両首相がバラを好んだことも知られています。
1950年代頃はバラの品種改良が行われることが増え、次々と園芸品種が発表されました。
戦後のバラの発展に貢献した育種家として、特に知られるのが鈴木省三です。
<バラ(薔薇)の基本情報>
別名 | ソウビ(薔薇) |
学名 | Rosa |
英名 | Rose |
分類 | バラ科バラ属 |
開花時期 | 5月~11月 |
花言葉 | 赤:「愛」「あなたを愛します」 ピンク:しとやか」「上品」 白:「清純」「無邪気」「相思相愛」 黄:「献身」 オレンジ:「無邪気」「魅惑」 紫:「誇り」「上品」 青:「夢が叶う」「神の祝福」 1本:一目惚れ 2本:「二人だけ」 3本:「告白」 99本:「永遠の愛」 108本:「プロポーズ」 999本:「何度生まれてもあなたを愛します」 |
参考文献:
『バラの誕生』 大場 秀章 (著) 中央公論社
『江戸の園芸・平成のガーデニング』 小笠原 亮 (著) 小学館
『ときめく薔薇図鑑』 元木 はるみ (著) 山と渓谷社
『花の品種改良の日本史』 柴田 道夫 (編集) 悠書館