古来から大切に紡がれてきた日本語の世界。
星々が輝く夜空は、気の遠くなるくらいに神秘的。
<自然の美しい日本語5選>
一番星(いちばんぼし)
夕空に一番は初めに輝き出す星。日没後に西の空で輝く一番星は、ほとんどの場合は金星です。太陽と月に次いで、最も明るく輝きます。
煌星(きらぼし)
夜空に輝く無数の星のこと。「綺羅、星のごとし」からできた語です。「綺羅星」とも書きます。「綺羅」とは、美しい衣服や華やかなことを意味します。
五星(ごせい)
中国で古代から知られている、肉眼で見ることができる5つの惑星のこと。水星(辰星)、金星(太白)、火星(熒惑)、木星(歳星)、土星(鎮星)です。
西郷星(さいごうぼし)
明治の一時期に呼ばれた火星の異称。1877年(明治10年)、西南戦争で西郷隆盛が自決した頃に、火星が地球に大接近し、「西郷が星になった」と騒がれました。
桐野星(さいごうぼし)
西郷星の出現と同じ年、火星の近くに土星が並びました。そこで、この土星は桐野星と呼ばれました。桐野とは、隆盛の参謀だった桐野利秋を指します。
参考文献:
『宙(そら)の名前』 林 完次 角川書店
『世界大百科事典』 平凡社
『大辞泉』 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館