春はお花見。秋は紅葉狩り。
紅葉狩りは貴族の風流な遊びから庶民の娯楽へ。
<紅葉狩りについて>
秋に木々が紅葉する季節に、その美しさを観賞する「紅葉狩り」。
春のお花見と同じように、古くから人々は紅葉を楽しんできました。
紅葉狩りは、7世紀頃、貴族の間で行われる優雅な遊びでした。
紅葉を観賞しながら宴を催しながら、和歌に詠んだことから始まりました。
万葉集には、天智天皇が、春の山に咲く花々のあでやかさと、秋の山を彩る紅葉のどちらに趣があるかを尋ねたのに対し、額田王(ぬかたのおおきみ)は秋を選んだという歌が残っています。
江戸時代以降、ようやく庶民の間にも紅葉狩りの風習が広がりました。
8代将軍徳川吉宗が飛鳥山(東京都北区)に数千本のカエデジとサクラを植え、浅草の正燈寺(しょうとう)や品川の海晏寺(かいあんじ)と並ぶ、紅葉の名所となりました。
参考文献:
『江戸の園芸・平成のガーデニング』 小笠原 亮 (著) 小学館
『絵でつづる やさしい暮らし歳時記 暦でみる日本のしきたりと年中行事』 新谷 尚紀 (監修) 日本文芸社