貴重な自然の宝庫、湿原。
湿原でしか見られないさまざまな植物が生え、生き物が暮らしている。
<湿原について>
湿原とは、湿地の一種で泥炭が堆積した上にできる草原です。
泥炭は水分や気象条件などによって、枯死した植物が何層にも堆積してできます。
湿原の成立には、湖沼に周囲の山々からの土砂が流入し、植物の堆積でさらに湖沼が埋まってできるものや、もともと乾燥していた場所が河川の氾濫などで湿原化するものなどがあります。
日本では後者の湿原が多く見られます。
湿原は地形で分類した場合、高層湿原、低層湿原、中間湿原の3種類に分けられます。
高層・低層とは標高とは関係なく、地下水位との位置関係で分けられます。
高層湿原・・・泥炭層が堆積し、表面が地下水位より高い湿原。栄養が乏しく、酸性。代表的な植物はミズゴケ。
低層湿原・・・表面よりも地下水位が高い湿原。周りから栄養を含む水が入るため、栄養に富む。代表植物はヨシ。
中間湿原・・・高層湿原と低層湿原の中間の環境にある湿原。代表的な植物はヌマガヤニッコウキスゲ。
参考文献:
『湿原力』 辻井 達一 (著) 北海道新聞社北海道新聞社
『信州湿原紀行』 日野東 (著) 信濃毎日新聞社
『日本湿原紀行』 日野東 (著) 信濃毎日新聞社