春に小さく可憐な花を一面に咲かせるモッコウバラ。
溢れるように無数の八重の花が重なり合って咲く姿は見応えあり。
<モッコウバラ(木香薔薇)について>
モッコウバラ(木香薔薇)は中国中南部が原産で、中国全土の広い範囲に分布します。
ヨーロッパに渡り、人々を魅了した東アジアのバラの一種です。
日本へは江戸時代中期に渡来しました。
1760年(宝暦10年)に刊行された平賀源内の『物類品隲』にモッコウバラに関する記載があります。
つる性の常緑低木で、長さ約6mになります。
バラには珍しくトゲが全くありません。
4~5月頃に花を咲かせます。
花色は白か淡い黄色、直径2cmほどの八重咲きです。
多数の花が付くため、とても華やかです。
フェンスに這わせたり、高所から垂らしたりして楽しめます。
白花はシロモッコウ、黄花はキモッコウと区別されます。
シロモッコウは香りがあり、キモッコウは香りがあまりありません。
広く普及するのは、花付きが良いキモッコウです。
参考文献:
『バラの誕生』 大場 秀章 (著) 中央公論社
『図説バラの世界』 大場 秀章 (著) 河出書房新社
『香りを楽しむ庭木の本』 三上 常夫 (著), 若林 芳樹 (著) 講談社