四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
朝夕の冷え込みが強くなり、霜が降ることが多くなる季節。
<秋の美しい日本語5選について>
夜寒(よさむ)
秋の季語です。晩秋の頃、夜に寒さを覚える様子。または、その季節のことをいいます。朝の寒さについては、「朝寒(あささむ)」と呼びます。
北窓塞ぐ(きたまどふさぐ)
冬は北から冷たい風が吹き込みます。冬ごもりの準備の一つとして、防寒のために北窓は塞ぎます。春が来て暖かくなったら、再びこの窓を開けます。
小春日和(こはるびより)
晩秋から初冬に春のような陽気になること。小春は旧暦10月のことで、現在の11月から12月上旬にあたります。アメリカでは「インディアン・サマー」と呼びます。
霜の声(しものこえ)
霜の降りた夜の、空気が冷たく冴えてしんしんと更けてゆく様子。わずかな音でも響き渡るような、辺りを包む静寂を想像させる言葉です。
虎落笛(もがりぶえ)
冬の激しい風が柵や竹垣などに吹き当たって発する、ヒューヒューと笛のような音。「虎落」とは、中国で戦いなどの時に用いた竹を組み合わせた柵のことです。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『天気の名前 ビジュアル気象歳時記』 森田 正光 (監修) 世界文化社
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『ブリタニカ国際大百科事典』
『精選版 日本国語大辞典』
『マイペディア』 平凡社