四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
山や野が華やかに秋の色を深めていく紅葉の季節。
<秋の美しい日本語5選について>
錦秋(きんしゅう)
錦(にしき)の織物のように美しい秋。錦とは、金銀をはじめ、数種類の色糸を織り込む美しい織物です。豪華な織物にたとえ、見事な自然の色どりを形容しています。
草紅葉(くさもみじ)
秋になって草が色づくことや、その色づいた草をいいます。草の紅葉は木々よりも早く見られます。錦に見立て、「草の錦」という表現もあります。
照葉(てりは)
草木の葉が紅葉して、日光で照り輝くことです。カエデ類の赤色、イチョウの黄色が代表的な紅葉です。「照紅葉(てりもみじ)」とも呼ばれます。
照紅葉(てりもみじ)
美しく照り輝く紅葉。「照葉(てりは)」ともいいます。「もみじ」の語源は「揉(も)み出ず」です。葉の中から色がにじみ出てるような輝きが感じられます。
紅葉狩り(もみじがり)
野や山に紅葉を求めて観賞する紅葉狩り。もともとモミジは紅葉または黄葉することを意味し、美しく紅葉する代表種であるカエデもモミジといわれるようになりました。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『花と樹木と日本人』 有岡 利幸 (著) 八坂書房
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『日本大百科全書』 小学館
『精選版 日本国語大辞典』
『大辞泉』 小学館