情緒を感じさせる奥深い日本語の世界。
月が美しく夜の闇に浮かぶ季節、神秘的で不思議な月の満ち欠け。
<秋の美しい日本語5選について>
十六夜(いざよい)
旧暦8月16日の夜、または、その夜に上る十六夜の月のこと。十五夜より50分位遅く、いざよい(ためらい)ながら上るためといわれています。別名は「既望(きぼう)」です。
立待月(たちまちづき)
旧暦17日の夜の月。日没後に立って待つうちに月が上ることが、その名の由来です。「立待」とは、眠らないで待つことという意味があります。
居待月(いまちづき)
旧暦18日の夜の月。座って待っているうちに月が上ることから、「居待月」と呼ばれます。秋の季語として、特に8月18日の月をいいます。立待月より遅く、寝待月より早く出ます。
寝待月(ねまちづき)
旧暦19日の夜の月。月が出る時刻が遅いため、寝て待つという意味から「寝待月」といいます。この日の月の出は、日没から3時間ほど経ってからです。
更待月(ふけまちづき)
旧暦20日の夜の月で、「二十日月(はつかづき)」ともいいます。夜が更ける頃に細くなった月が上がります。亥の正刻(午後10時頃)に上るため、「亥中(いなか)の月」とも呼ばれます。
参考文献:
『宙(そら)の名前』 林 完次 角川書店
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館