情緒を感じさせる奥深い日本語の世界。
夜に涼しさが感じられる頃、思わず見上げたくなる夜空。
<秋の美しい日本語5選について>
仲秋(ちゅうしゅう)
旧暦の8月15日のこと。または、秋(旧暦の7月、8月、9月)の真ん中にあたるため、秋の半ばのことをいいます。「中秋」とも書きます。名月が美しく輝く頃です。
月の雨(つきのあめ)
中秋の名月に降る雨。晴れれば美しい月が観賞できるのに、雨雲に隠れて月が見えない様子をいいます。見たいと強く思う気持ちの中に、風情が感じされる言葉です。
天満月(あまみつつき)
旧暦15日の月。満月のことです。月が太陽の光を反射し、全面が輝きます。半月状の月の何倍もの明るさで、輝きが天に満ちあふれるようです。
星月夜(ほしづきよ)
星が輝く明るい夜。満天の星で月夜のように明るく感じられる様子をいいます。月と星が出ている夜ではなく、月は出ていない夜空です。
月の客(つきのきゃく)
美しい月を観賞しに出てきた月見の客。秋の季語です。澄んだ美しい月の輝きだけでなく、月見の人たちも風流に感じられる言葉です。
参考文献:
『宙(そら)の名前』 林 完次 角川書店
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『心に染み入る 日本の美しい大和言葉』 高橋 こうじ (著) 実業之日本社
『精選版 日本国語大辞典』 小学館