古来から大切に紡がれてきた日本語の世界。
豊かな美しい響きで、心を揺さぶられる言葉たち。
<さまざまな美しい日本語5選について>
片恋(かたこい)
一方の側からだけ恋しく思うこと。片思いのことをいいます。対義語は、相思相愛を意味する「諸恋(もろごい)」です。
恋風(こいかぜ)
恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう言葉です。
恋文(こいぶみ)
恋慕う気持ちを書いた手紙のことです。「艶書(えんしょ)」「懸想文(けそうぶみ)」{艶文(つやぶみ)」「恋の文(ふみ)など、同じ意味の言葉がたくさんあります。
恋水(こいみず)
「恋水」とは、恋の涙のことです。この言葉の由来は『万葉集』の和歌にあります。若返りの薬をいう「変水」が誤って「恋水」と転記されて、「恋水」という言葉が生まれました。
相思い(あいおもい)
互いに恋しく思うことをいう大和言葉。動詞は「相思う」です。現在では、「両思い」や「相思相愛」が多く用いられているようです。
参考文献:
『心に染み入る 日本の美しい大和言葉』 高橋 こうじ (著) 実業之日本社
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『大辞泉』 小学館