古来から大切に紡がれてきた日本語の世界。
豊かな美しい響きで、心を揺さぶられる言葉たち。
<さまざまな美しい日本語5選について>
面影(おもかげ)
記憶によって心に思い浮かべる人の姿や形を意味します。「面」は顔やかおつきのことです。ここでの「影」には暗さは含まず、実態のない形を表します。
映え映えし(はえばえし)
見映えがして輝きや華やかさがある様子です。「映(は)え」には、引き立つなどの意味があります。見栄えがしない様は「映えなし」といいます。
見目佳し・見目好し(みめよし)
美人のことです。「見目」は、目に見える様子、顔立ちのことをいい、「眉目」とも表記されます。「見目麗しい」もほぼ同じ意味です。
夢現(ゆめうつつ)
夢と現実。夢とも現実とも区別がつかない状態や、意識がぼんやりしている状態をいいます。「現(うつつ)」は現実や、意識が正常な状態を意味します。
千尋(ちひろ)
長さ、遠さ、深さが非常に甚だしいことをいいます。「尋」は長さを示す単位で、両手を広げた時の長さが由来です。「千」は具体的な数ではなく、非常に多いことを意味します。
参考文献:
『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田 裕子 (著) 青春出版社
『覚えておきたい 美しい大和言葉』 日本の言葉研究所 (著) 大和書房
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『大辞泉』 小学館