刺激的な辛さと香りが独特なワサビ。
鼻に抜けるような辛味はアリルイソチオシアネートという成分による。
<ワサビ(山葵)について>
ワサビ(山葵)は日本原産の水生植物です。
山地の渓流に自生しています。
奈良時代には薬草として利用されていた記述があり、室町時代には薬味としての利用されるようになりました。
江戸時代になると寿司や蕎麦の広がりとともに、庶民の生活に浸透しました。
ワサビは収穫まで日数がかかり、水質、水温、土壌など厳しい生育条件があるため、生ワサビは高価な食材となっています。
寿司にワサビが使われるのは、他の香辛料よりも魚との相性が良いことにあります。
ワサビは魚の生臭さを消し、味にアクセントを加えます。
更に、食中毒を予防する働きもあります。
すりおろすことで、辛味成分のシグニリンがアリルイソチオシアネートという成分に変化します。
ワサビの鼻に抜けるような独特の辛味は、この成分によるものです。
アリルイソチオシアネートは強力な殺菌作用を持っています。
参考文献:
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』 白鳥 早奈英 (著, 監修, 板木 利隆 (監修) 高橋書店
『日本の食材図鑑』 レジア (編集) 新星出版社