お札にはさまざまなデザインが偽造防止に施されている。
日本で最初に発行されたお札は「大黒天」。
<紙幣について>
世界の国々において、紙幣には肖像画がよく用いられています。
人間の顔の複雑な特徴が偽造防止に役立つからです。
日本銀行が発行する紙幣の多くも肖像画を採用してきました。
ただ、1885年(明治18年)、日本で最初に発行された日本銀行券は「大黒天」が描かれていました。
大黒天は商売や農業の神様です。
大黒天の図柄の紙幣は、通称「大黒札」と呼ばれています。
デザインを担当したのは、お雇い外国人としてイタリアから来日したエドアルド・キヨッソーネでした。
キヨッソーネが描いた中で、特に有名な作品は西郷隆盛の肖像画です。
キヨッソーネがデザインした紙幣は、米俵の上に腰かけた大黒天の他に3匹のネズミも描かれていました。
しかし、紙質を強化する目的でコンニャクの粉を混ぜていたため、ネズミなどにかじられる被害を受けやすいことが発覚しました。
数年後には新しい紙幣に変更されました。
参考文献:
『このデザインには理由がある』 社会情報リサーチ班 (編集) 河出書房新社
参考サイト:
日本銀行 お金の話あれこれ(https://www.boj.or.jp/announcements/education/data/are02h.pdf)