最初は薬として飲まれたコーヒー。
日本に渡来した時はまずいと不評だった。
<コーヒー(珈琲)について>
コーヒーの発見については、有名な伝説が2説あります。
ヤギ飼いカルディの伝説
カルディというヤギ飼いの少年は、興奮して騒ぐヤギを見つけました。
すると、そのヤギは赤い実を食べていたことに気づきました。
そのことを修道僧に相談し、一緒にそのコーヒーの実を食べてみると、不思議と楽しく爽快な気分になりました。
以降、修道僧が夜のお祈りの時に利用するようになったといいます。
シェーク・オマールの伝説
シェーク・オマールというイスラム教徒の僧侶は、無罪の罪でイエメンにあるモカの街から追放されました。
さまよって空腹に苦しむ中、赤い実をついばんで陽気にさえずる小鳥を見つけました。
その赤い実を煮込んで食べてみると、疲労が回復して元気になりました。
その後、この実から作ったスープで病人などに与え、罪を許されたといいます。
コーヒーは17世紀にヨーロッパに伝わり、イギリスではコーヒーハウス、フランスではカフェが多く造られました。
ヨーロッパでは自国ではコーヒーを栽培できないため、各国はこぞって植民地での栽培を開始していきました。
日本に最初のコーヒーが伝わったのは江戸時代後期、長崎の出島でした。
コーヒーを飲んだことを初めて記したのは、大田南畝(おおたなんぽ)です。
長崎奉行所に赴任していた幕臣で、オランダ船でコーヒーを飲みました。
「焦げ臭くて味わうに堪えない」と、口には合わなかったようです。
参考文献:
『珈琲の世界史』 旦部 幸博 (著) 講談社
『図説 コーヒー 』 UCCコーヒー博物館 (著) 河出書房新社