古来から大切に紡がれてきた日本語の世界。
豊かな美しい響きで、心を揺さぶられる言葉たち。
<さまざまな美しい日本語5選>
泡沫(うたかた)
水面に浮かぶ泡、または、はかなく消えやすいことを表す大和言葉です。語源には諸説あり、「浮玉形(うくたまかた)」「浮きて得がたきもの」「空形(うつかた)」などの説があります。
偶さか(たまさか)
偶然、まれにという意味です。「に」「にも」をともなって副詞的に用いられます。古くは「たまたま」が男性語で、「たまさか」が女性語であったとみられています。
行き合ひ(ゆきあい)
季節の変わり目や、出会うことを表します。もともとは人と人が出会うことなどを意味し、そこから、季節と季節が出合うことも意味するようになりました。
幸先(さいさき)
良いことが起こる前兆や、事を始めに当たって感じさせる縁起をいいます。語源は「幸い」の「先触れ」、つまり、幸福の予告です。
遥か(はるか)
年月が長く隔たっていることをいいます。または、距離が非常に遠いことや、違いが甚だしいことにも用いられます。
参考文献:
『ビジュアル大和言葉辞典』 大和心研究会 (著) 大和書房
『心に染み入る 日本の美しい大和言葉』 高橋 こうじ (著) 実業之日本社
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『大辞泉』 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館