四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
秋が深まるとともに、稲が実り、葉が色付き始め、秋の色に染まる季節。
<秋の美しい日本語5選について>
秋菓(しゅうか)
秋に熟す果物のこと。春に花を咲かせた果樹の多くが、秋に実を結びます。ブドウ、ナシ、カキ、ザクロなどが収穫されます。秋の豊かさを感じられる言葉です。
笑み栗(えみぐり)
笑み栗とは、熟して毬(いが)が開いている栗のことをいいます。「笑む」や「笑う」という言葉には、果実が熟して口が開くという意味があります。
秋の蝶(あきのちょう)
秋に現われる蝶。「蝶」は春の季語ですが、実際には真冬以外の季節では見かけることがあります。秋の蝶は「老蝶(おいちょう)」とも呼ばれてきました。
薄紅葉(うすもみじ)
秋は木々の葉が華やかに色づきますが、その初めて色づく葉は「初紅葉」で、うっすらと色付いた状態は「薄紅葉」と呼ばれます。深く色づいた葉とは異なる趣があります。
雁渡し(かりわたし)
初秋から仲秋にかけて吹く北風。「雁渡し」の言葉は、この季節、飛来する雁の群れが北風に運ばれてくるように見えることが由来です。「青北(あおきた)」ともいいます。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『天気の名前 ビジュアル気象歳時記』 森田 正光 (監修) 世界文化社
『精選版 日本国語大辞典』 小学館