日本でリンゴの産地といえば青森。
サムライが広めた弘前のリンゴ栽培。
<リンゴ(林檎)について>
人類が食べた最古の果物だといわれているリンゴ(林檎)。
日本へは鎌倉時代中期に渡来した記録があります。
現在のような実が大きくて甘みのある品種は、明治時代にアメリカから苗木で輸入されました。
苗木は内藤新宿試験場(現在の新宿御苑)で育てられ、青森県にも配られました。
青森の人々は今までのリンゴとは異なる美味しさに驚いたといいます。
弘前にリンゴを広めた人物は、「リンゴの開祖」と呼ばれる菊池楯衛です。
菊池は旧弘前藩士でした。
リンゴの接ぎ木繁殖の方法を確立し、明治維新後に職を失ったサムライたちにリンゴ栽培を呼びかけました。
リンゴ栽培を弘前に広めた菊池楯衛ですが、弘前城の桜の植樹にも貢献しました。
変わり果てた弘前城に心を痛め、私財をはたいてソメイヨシノ1000本を植えました。
このサクラは、リンゴの剪定技術も参考に管理されています。
参考文献:
『日本の食材図鑑』 レジア (編集) 新星出版社
『モンスターと呼ばれたリンゴ ふじ』 小泉 光久 (著), 土屋 七郎 (監修) 汐文社
『ブラタモリ 14 箱根 箱根関所 鹿児島 弘前 十和田湖・奥入瀬』 NHK「ブラタモリ」制作班 (監修) KADOKAWA