豪華さが魅力の洋ラン。
開店祝いや移転祝いで贈られる花ナンバーワン。
<洋ラン(洋蘭)について>
ラン科植物は恐竜がいた白亜紀に現れ、地球環境の激変を乗り越えてきました。
現在では、単子葉植物の中で最大のグループです。
洋ランはファレノプシス(コチョウラン)、カトレア、シンビジウムなどの西洋からはいってきたランです。
原産はヨーロッパではなく、中南米大陸や熱帯アジアが主な原産地です。
日本における洋ランの歴史は幕末から明治にかけての時代に始まりました。
日本へ洋ランを最初に持ち込んだのは、グラバーだといわれています。
グラバーは、幕末期に来日して武器商人として活躍した、スコットランド出身の人物です。
坂本龍馬や岩崎弥之助などと交流したことでもよく知られています。
グラバーによって上海から長崎にもたらされた、シンビジウム・ トラキアナムという洋ランの株は現在でも見ることができます。
「グラバーさん」という愛称でグラバー園や長崎県亜熱帯植物園で保存されています。
グラバーの花好きは三菱の創業者一族の岩崎家にも影響を与えました。
三菱財閥の4代目総帥の岩崎小弥太は大きな温室をつくり、洋ランなどの植物を楽しみました。
小弥太の弟の岩崎俊弥は多くの洋ランの生産に貢献し、コチョウランの育種を日本で初めて実践しました。
他にランを好んだ有名な人物として、大隈重信がいます。
大隈重信は外務大臣と内閣総理大臣を務めた政治家です。
早稲田大学の創立者としても、よく知られています。
大隈重信は大の園芸好きという一面があり、日本園芸会の2代目会長を務めました。
早稲田の邸宅に温室をつくり、ランをはじめとする珍しい植物を栽培しました。
<ラン(蘭)の基本情報>
学名 | Orchidaceae |
英名 | Orchid |
分類 | ラン科 |
開花時期 | 5月~7月 |
花言葉 | 「成熟した大人の魅力」「魅惑的」 |
参考文献:
『洋ラン大全』 洋ラン大全編集部 (編集) 誠文堂新光社
『日本園芸界のパイオニアたち』 椎野 昌宏 (著) 淡交社