四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
暑さの盛りは過ぎて、暑さの中に秋の気配が少しずつ感じられる季節。
<夏の美しい日本語5選について>
秋の初風(あきのはつかぜ)
秋の訪れを初めて感じさせる風のことです。その季節の始めに吹く風を「初風」といいます。「秋の初風」は、旧暦の元日に吹く「春の初風」に対する言葉です。
涼風(すずかぜ)
夏の終わりに吹く爽やかな風。「りょうふう」と呼んでも、同じ意味です。暑い時期には、少しの涼しさでもありがたく、心を穏やかにしてくれます。
夏の果て(なつのはて)
夏の終わりを表す言葉です。秋の虫が鳴き始めて、暑さが厳しかった夏が去りつつある頃は、安堵する気持ちと少し寂しい気持ちが入り混じります。
行き合いの空(ゆきあいのそら)
二つの季節が出会う空。ある季節が去り、次の季節に移り変わろうとする頃の空のことをいいます。特に夏から秋への変わり目のことを呼ぶことが多いようです。
夜の秋(よるのあき)
秋の気配の感じられる、夏の終わりの夜。「秋」とありますが、夏の季語です。まだ厳しい暑さが続く中でも、夜が涼しくなると、秋の訪れが近いことを感じます。
参考文献:
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『美しい日本語の辞典』 小学館辞典編集部 (編集) 小学館
『精選版 日本国語大辞典』 小学館