ハマナスは海岸の砂地に自生する野生種のバラ。
数多く存在する園芸バラの品種改良に世界で貢献してきた。
<ハマナス(浜茄子)について>
ハマナス(浜茄子)は、東アジアに分布し、日本では北海道の海岸や南は鳥取県の主に砂地に自生します。
「ハマナシ」、「ロサ・ルゴサ」とも呼ばれます。
「ハマナス」という和名は、「浜茄子」ではなく「浜梨」が転訛したとする牧野富太郎が唱えた説が通説になっています。
海岸の砂地に生え、果実が同じバラ科のナシに似ていることによります。
ハマナスは、ノイバラとテリハノイバラと共に、現代の園芸バラの品種改良に大きく関わったバラです。
英国に1796年に最初に導入され、その後、ヨーロッパで耐寒性、耐病性のある品種を育成させるために利用されました。
ハマナスを品種改良したルゴサ系は、世界の寒冷地で栽培されています。
ハマナスは桃色や白色の5枚の花弁で、花径は8~10cmくらいです。
スパイスのような強い香りを持ち、細いトゲが茎に密集します。
秋に結実するローズヒップは果肉も厚く、リンゴのような香味があります。
食用や薬用に利用されてきました。
<ハマナス(浜茄子)の基本情報>
別名 | ハマナシ(浜梨) |
学名 | Rosa rugosa |
英名 | Ramanas rose |
分類 | バラ科バラ属 |
開花時期 | 6月~8月 |
参考文献:
『バラの誕生』 大場 秀章 (著) 中央公論社
『ときめく薔薇図鑑』 元木 はるみ (著) 山と渓谷社
『花の品種改良の日本史』 柴田 道夫 (編集) 悠書館
『ハーブ図鑑200―美しい花と香りを楽しむ』 主婦の友社 (著, 編集) 主婦の友社