ソメイヨシノの親となったオオシマザクラ。
ソメイヨシノの存在はオオシマザクラがあってこそ。
<オオシマザクラ(大島桜)について>
白く大きな花を咲かせるオオシマザクラ。
関東南部の伊豆諸島に分布します。
伊豆大島に多くあることから、この名前が付きました。
「旗桜」「白旗桜」とも呼ばれます。
樹高が20m以上になり、純白の大きな花を咲かせるため、観賞用として広く植えられています。
丈夫で成長が早いため、関東南部では燃料用に古くから里山に植えられていたようです。
開花と同時に若葉を茂らせます。
葉も大きく、桜餅などに利用されます。
葉の香りの主成分はクマリンという物質です。
葉にそのまま含まれるのではなく、塩漬けにするとクマリンという芳香物質が作られます。
桜餅は、関東の長命寺も関西の道明寺も、どちらもサクラの葉で包んでいます。
この塩漬けの葉の7割りが伊豆半島の松崎町で作られています。
オオシマザクラは、サトザクラの接木台に利用されます。
また、変異性に優れているため、オオシマザクラを母種として多くの園芸品種が作り出されています。
参考文献:
『桜の雑学事典』 井筒 清次 (著) 日本実業出版社
『桜の科学』 桜の科学 SBクリエイティブ