古典園芸植物の一つ、アサガオ。江戸時代に大流行。
これがアサガオ?と驚くような形状も誕生した。
<アサガオ(朝顔)について>
アサガオは、朝に咲くかわいらしい花を意味します。
平安時代は、アサガオとはキキョウの花を指していました。
アサガオは、奈良時代に遣唐使によって、牽牛子(けんごし)という薬用植物として伝わりました。
牽牛子というのは、牛を引いて交換するほど価値があるということです。
日本最古の歌集『万葉集』にもアサガオの歌が詠まれています。
特に秋の七草の歌が有名です。
ただ、このアサガオはキキョウ又はムクゲだとする説もあります。
やがてアサガオは園芸植物として広まり、江戸時代に流行しました。
武士がアサガオの品種改良を内職するようになり、作出されたのが「変化アサガオ」です。
その見た目は、花びらが割けているなど、普通種のイメージからかけ離れたアサガオでした。
中には、黄色いアサガオもあったとされます。
メンデルによる「遺伝の法則」の発表は、1865年のことでした。
それよりも100年も前に、複雑な遺伝の仕組みよって変化アサガオは生み出されました。
残念ながら、現在はそのほとんどが失われてしまいました。
現在の技術によっても、再現が困難だと言われます。
<アサガオ(朝顔)の基本情報>
別名 | ケンゴシ(牽牛子)、モーニンググローリー、シノノメグサ、カガミグサ(鏡草) |
学名 | Ipomoea nil |
英名 | Morning glory |
分類 | ヒルガオ科サツマイモ属 |
開花時期 | 7月~9月 |
花言葉 | 「愛情」「固い絆」 |
参考文献:
『江戸の花競べ-園芸文化の到来』 小笠原 左衛門尉亮軒 (著) 青幻舎
『ガーデニング植物誌』 大場 秀章 (著) 八坂書房
『身近な花の知られざる生態』 稲垣 栄洋 (著) PHP研究所
『野に咲く花便利帳』 稲垣 栄洋 (監修) 主婦の友社