日本の秋を代表するキク。
古くから日本で親しまれてきた、高貴な雰囲気の花。
<キク(菊)について>
キクは日本の皇室の紋章であるように、崇高な印象を与える花です。
奈良時代に日本へ伝えられ、平安時代には高貴な花として貴族に愛でられてきました。
サクラとともに、日本の国花とされるキクですが、原産は中国です。
中国での自然交配により、現在のイエギクの原型ができたと考えられています。
日本でキクの栽培が盛んになるのは、江戸時代に入ってからでした。
武家や農家でも、広く栽培されました。
幕末には、中国へ逆輸出されました。
明治時代はキクの栽培がさらに流行し、欧米からの新しい栽培品種も加わりました。
ヨーロッパでは19世紀に来日したイギリスの植物学者フォーチュンが日本のキクを送ったことをきっかけに、育種が盛んになりました。
<キク(菊)の基本情報>
別名 | ホシミグサ(星見草)、チヨミグサ(千代見草)、ヨワイグサ(齢草)、インクンシ(隠君子)、ジュカク(寿客) |
学名 | Chrysanthemum morifolium |
英名 | Chrysanthemum |
分類 | キク科キク属 |
開花時期 | 9月~11月 |
花言葉 | 「高貴」「高潔」「高尚」 |
参考文献:
『ガーデニング植物誌』 大場 秀章 (著) 八坂書房
『江戸の花競べ-園芸文化の到来』 小笠原 左衛門尉亮軒 (著) 青幻舎
『徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか』 稲垣 栄洋 (著) 東洋経済新報社
『四季の花便利帳』 山田 幸子 (監修) 主婦の友社