コウシンバラは代表的な野生種のバラ。
モダンローズの誕生に大きく関わる。
<コウシンバラ(庚申薔薇)について>
コウシンバラ(庚申薔薇)は、中国を原産地とするバラです。
バラの品種改良に特に重要な役割を果たした原種バラとして知られています。
「コウシン」の名前は、冬の庚申月に花が咲くことに由来します。
長期間咲き続けるという意味の「月季花」、「長春」という名前もあります。
また、「チャイナローズ」、又は「ベンガルローズ」、学名から「ロサ・キネンシス(Rosa chinensis)」とも呼ばれます。
コウシンバラは、中国で古い時代から観賞用として栽培されてきました。
日本にも、早ければ平安時代、遅くても室町時代には渡来し、栽培されてきました。
コウシンバラは、爽やかさと甘さのある香りを持ち、一重咲きです。
初夏から秋まで連続して花が咲きます。
この四季咲き性はヨーロッパのバラにはない性質で、品種改良でモダンローズへと引き継がれています。
参考文献:
『バラの誕生』 大場 秀章 (著) 中央公論社
『バラ大図鑑』 上田 善弘 (監修), 河合 伸志 (監修), NHK出版 (編集) NHK出版
『図説バラの世界』 大場 秀章 (著) 河出書房新社