四季の移り変わりを豊かに表現する美しい日本語。
秋が深まるとともに、稲が実り、葉が色付き始め、秋の色に染まる季節。
<秋の美しい日本語5選について>
秋麗(あきうらら)
10月に終わり頃、春のようなのどかな晴天。澄みきった青い空の下、暖かく柔らかい日差しに包まれると、穏やかで優しい気持ちになります。
残菊(ざんぎく)
重陽の節句(陰暦9月9日)以降に咲いているキクの花のこと。必要な時に間に合わないことを「六日の菖蒲(あやめ)、十日の菊」といいます。
月愛で(つきめで)
月の美しさを観賞することをいいます。旧暦9月13日の十三夜は、8月の十五夜の月に次いで月が美しいといわれ、月見の宴が催されました。
豊の秋(とよのあき)
作物、特に稲のよく実った秋という意味の秋の季語です。「出来秋(できあき)」「成秋(なりあき)」「豊秋(とよあき)」という言葉もあります。
残る虫(のこるむし)
秋の季語。秋深くなっても、まだ残って鳴く虫のことです。盛んに美しい声を奏でていた虫たちも、冬が近づいてくると数が減っていき、寂しくなります。
参考文献:
『話したい、使いたい 心ときめくことばの12か月』 山根基世 (監修), 花時間編集部 (編集) KADOKAWA/エンターブレイン
『手紙にそえる季節の言葉 365日』 山下景子 (著), 西 淑 (イラスト) 朝日新聞出版
『日本美人の七十二候』 山下景子 (著) PHP研究所
『精選版 日本国語大辞典』 小学館
『日本大百科全書』 小学館
『大辞泉』 小学館