七夕飾りの笹につるす短冊に願いを込めて。
昔は短冊に習い事の上達を願い書いた。
<短冊について>
七夕では思い思いの願い事を書いた短冊を笹に吊るします。
七夕の歌で有名な『たなばたさま』。
二番の歌詞に「五色の短冊」と出てきます。
この五色とは、中国の「五行思想」に由来します。
万物は5種類の元素からできているという思想です。
青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒(紫)は水を表しています。
端午の節句の鯉のぼりも、この5色に基づいています。
願い事を書いた短冊を笹に吊るす風習は、中国の「乞巧奠」に由来します。
乞巧奠は、機織りの上手な織り姫にあやかって手芸などの上達を願う行事です。
当初はサトイモの葉に溜まった夜露を「天の川のしずく」として集めて墨をすり、その墨で習い事の上達を願いました。
江戸時代に幕府が年中行事の一つに定めたことから、武家の間で広がりました。
寺子屋の普及とともに、習い事や習字の上達を願う風習としても定着しました。
参考文献:
『大切にしたい、にっぽんの暮らし。』 さとうひろみ (著) サンクチュアリ出版
『絵でつづる やさしい暮らし歳時記 暦でみる日本のしきたりと年中行事』 新谷 尚紀 (監修) 日本文芸社